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「面白い」と受け取れるかどうかは、受け手の“器”にもかかわってくる。
「最近のゲームはどれもつまらない」。ゲハ板でよく聞かれるこの言葉。そして、その後につづくロジックのつまらなさは異常である。何のオリジナリティもなく、ただのメーカー非難がつづくだけだ。私には、「型にはまりたくねぇんだよ」と同じことを言う血気あふれるDQNたちと同じ種類の人間にしか思えない。
レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士だ。
今回は、ちょっと趣向を変えて、「ゲームはつまらなくなったのか」、「このブログのあり方」について、いろいろと話を進めてみたいと思う。あまり面白い内容ではないと思うので、興味のない方は読み飛ばしていただきたい。
ゲームを非難する人間=つまらない人間化説

結論である。
そもそもゲームなんてものは語らなくていいモノだ。それをわざわざ語って、しかもディスり、さらにその主張が面白くないというのは、どういうことだろうか。情報において、興味喚起を引き起こさないものは価値がない。ゴミである。それを自ら進んで発信するというのは「自分はつまらない人間です」と公言しているだけだ。
では、「面白いゲーム」とはどんなものを指すのか

結論から言えば、正確な定義はない。
人それぞれ、「面白い」と感じる要素が異なるからだ。もちろん、名作といわれるゲームの中には、人間が本能的に心地よいと感じるプロセスを計算して込みこんでいるものも多い。しかしゲームの魅力はそんなところだけではないはずだ。「世界観が好き」、「キャラクターが好き」、「よく分からないけどキライになれない」…そんな感覚も「面白い」の中に入るはずである。
ゆえに、その人が面白いと感じれば、それは「面白いゲーム」であるはずだ。
面白さに気づくために必要なもの、それは“理解力”だ

大切なのは、「この作品はこういうシステムでここを楽しむためのゲーム」ということを、プレイヤーが理解できるかどうかである。
「つまらない」という発言者の主張を聞いていると、この「ゲームとのコミュニケーション」ができていない?していない?する気がないというケースが大半を占めているように感じる。
「なんでゲームにそこまでパワーをかけなければならないのか。それを無理なく理解させるのがゲームメーカーの務めじゃないのか」という意見もあるだろう。たしかにそれは一理ある。しかし、それ以上に深刻なのは、ゲームプレイヤーの退化、なんでも相手任せにするゲームプレイ場でのマグロ化だ。どういうゲームかを理解しようという姿勢は、年々消極化している。
昔はみんな、理解力を持っていた

少し昔話をしよう。
かつて、ファミコンやアーケードゲームに夢中になった少年少女たちはマニュアルなんて読まなかった。とりあえず触ってみて、何度かプレイしてみて、目の前にあるものがどんなゲームかを知った。言い方を替えれば、進んでゲームとのコミュニケーションに興じ、相手を理解しようと努めていたのだ。
しかし、時代は変わった

今は、どうだろうか。
かつてと同じスタンスでゲームにのぞんでいる?。うむ。だがそれでは圧倒的にコミュニケーション不足である。ゲームの進化に伴い、やれること、表現できることは格段に増えた。それだけに、目の前の作品を理解しようという作業はかつてのものよりも、はるかに多い工程数?項目数をこなさなければできない。
ゲームを正しく理解することに、パワーがかかる時代になったのだ。
そこまでしてゲームはプレイすべきものなのか。そんな面倒くさいものは娯楽とは思えない。もっとシンプルに「楽しいか?そうじゃないか」だけでいいのではないか。その通りだ。しかし、そんな上っ面のプレイだけをしていると、その作品の本質を理解できず、すれ違いが生じてこう叫ぶことになる。「つまんねーなー」。
結果、大した発言のできない「つまらない人間化」を進めているのではないか。個人的には、『アスラズラース』、『エルシャダイ』、『キャサリン』、『クリスタルベアラー』は、その犠牲になった作品と思っている。
ゲームプレーヤーの人間的能力、ゲームハードが作り出すゲームという作品、そして莫大に膨れ上がる開発費。この歪すぎるパワーバランスが、今のゲーム市場を覆っている問題なのだ。
このブログがとりつづけるスタンス

私はこのブログで、ただレトロゲームを紹介したいわけではない。この作品は、どう見ることで、どんな価値が出てくるかという、ゲームとの向き合い方を提示したいだけだ。
アートと呼ばれる作品が心に直接感銘を与え、その制作背景を知ることでより感動の正体が分かってくるように。20世紀から文化になったゲームにおいても、同じことにチャレンジしたいだけなのだ。もっとも、ゲーム好きの大半がバカであるように、私も非インテリである。理解しているつもりで理解できていないということもあるだろう。
しかし、掘り進めることでしか出せない“答え”もあるはずである。明確なそれを見つかるまで、レトロゲームレイダースとしての活動はつづけていくつもりだ。
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