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サマータイムマシーンブルース


SFにまったく興味のないSF研究会に、なぜか本物のタイムマシンが!




名作映画発掘人/ジョーンズ博士だ。

友人たちと集まってTSUTAYAでDVDを借りたとき、選択を誤ってなーんともビミョウな雰囲気になったことはないだろうか? そのようなシチュエーションにおいて、絶対にはずさない作品としてオススメできるのが、この『サマー?タイムマシーン?ブルース』なのだ。




 軽快なタッチで描く、サークルを舞台とした“タイムマシン騒動”
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さて。この作品は、「大学の気を許した仲間たちとの生活」「作中のいたるところに張り巡らされた伏線の回収」といったお話が好きな方には、間違いなくおすすめできると断言しよう。



物語は、香川県にあるとある大学。そのサークル棟に一室を持つ『SF研究会』は、夏休みで授業もないのに、全員が参加して活動にいそしんでいた。…といっても、彼らはSFのなんたらを知らないどころか、SFが何の略なのかも知らない。娯楽のない街では家にいてもつまらないので、日々、サークルに来ては、みんなで野球をやったり、ファミコンをしたり、くだらない話をしたり、部室に設置されたクーラーで涼む…といった日々を送っていたのだ。

そんなある日、サークル史上最大の事件が起きる。ふとしたことで、クーラーのリモコンがコーラをこぼしたことにより壊れてしまうのだ。古いタイプのクーラーゆえに、リモコンなしでは起動できない!そこに襲いかかる四国?香川の灼熱の夏!サークルメンバーたちはありとあらゆる手段で心頭滅却を試みるが失敗!一同が再び部室に戻るとそこには、誰が持ち込んだのかとてつもなく怪しい機械が…!

操縦席があり、「年」、「月」、「日」のダイヤルがあり、起動をうながすレバーがある。どこから見てもタイムマシーン。SF研究会に置かれた謎のタイムマシーン。「誰かの手の込んだイタズラ」と決め込んだメンバーたちは、ふざけて部員の一人を乗せ、ダイヤルを昨日に合わせてレバーを引かせてみる。すると突如、まばゆい光を放ったそのマシンは、周囲の空間を捻じ曲げて、忽然と姿を消す!騒然とするメンバーたち。数分後、再び、強烈なフラッシュとともに姿を現すタイムマシーン。乗っていたメンバーは、驚きを隠せずに言う。「これ、本物のタイムマシーンですよ!」

かくして、SF研究会メンバーによる「タイムマシーンを使ってどんな時代に行ってみたいか?」というミーティングが開かれる。原始時代にはダイヤルが99までしかないので行けない。未来はなんか怖いから行きたくない。そんな意見が錯綜する中、ひとりが閃く!「昨日に行って、まだ壊れる前のクーラーのリモコンを獲って来る!」。かくしてタイムマシーンを使った学生たちの暇つぶしが始まる。

ところが、サークルメンバーたちののんきな振る舞いを、サークルの顧問である“ホセ”が一笑。

「例えば、過去にいって自分を殺したとする。すると今においても自分の存在はなくなるわけだから、この事実は誰が?誰を殺したことになるのか。矛盾が発生する。そんな事実はありえない。つまり、矛盾が発生する世界、宇宙自体の存在が否定される。つまり、タイムマシーンはこの宇宙を消滅させる可能性を秘めているんだ」。

かくして、“先に過去に旅立ったメンバーたちのリモコン奪取を阻止し、過去の改ざんを一切させないように今日に連れ戻してくる”という、非常にスケールの小さい、しかし宇宙の存亡がかかったひと夏の冒険がはじまる!



この作品を楽しむために注意すべきこと。まずは、開始から15分間描かれる1日目は正直何が起きているのか分からない。ビミョウに食い違うメンバーたちのコミュニケーション、ぶつ切りされるシーン、意味不明なカット。これは気にせず、そういうものだと思ってほしい。それらはすべて伏線。2日目から前日にタイムトラベルしたメンバーたちによって引き起こされる騒動なのだ。そのため、一度すべてを見終わってからもう一度最初の15分を見ると、「これはあのシーンか!」ととても面白い。

タイムマシーンで30年後からやってきたもっさりした未来人、土地に伝わる河童様の伝説、愛犬ケチャが掘り起こすタイムパラドックスの象徴、ふとしたことがキッカケではじまる瑛太くんと上野樹里ちゃんのラブストーリー、その未来にある衝撃の事実。物語は決して壮大にならないが、めくるめく展開で視聴者を飽きさせない。

馬鹿馬鹿しく、それでも一生懸命、そしてどことなく儚げであるソレは、誰もが一度は通る青春の日々。見終わったあとに味わえる爽快感を含めて、夏に観る映画にふさわしい一品です。





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主が「お前の名は何か」とお尋ねになるとソレは答えた。
「わが名は“レギオン”。われわれは大勢であるがゆえに…」
(マルコ福音書 第五章)


かつてこんなにも胸が熱くなる怪獣映画があっただろうか。70年代に使い古された“宇宙からの侵略者”というモチーフを使いながら、地球外生命体 vs 地球の守護者 vs 国防の象徴“自衛隊”の三つ巴の戦いをここまで新しく、そして熱く描いた作品は類がない。これはもはやガメラというジャンルを超えているといえるだろう!



ブログ代表

こんにちわ、名作映画トレジャーハンター/ジョーンズ博士だ。

平成ガメラ三部作の二作目は、まったく新しいガメラ映画へと進化を遂げた。視聴後の感じを一番しっくり表している言葉は「怪獣映画のエヴァンゲリオン」!何を言っているのかよく分からないかもしれないが、とにかくそんな感じだ。私の言いたいことは、この予告編を見ていただければ、きっとご理解いただけるはずだ。


▼カッコ良すぎていろんな体液が出そうになるので注意!▼


この予告編が、一番『ガメラ2 レギオン襲来』という作品の面白さを表しているので、私はもう特に言うことはありません。ですので今回は、スポット的な部分にのみ注目してみたいと思います。



とにかく、自衛隊がカッコ良すぎる!
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オープニングからエンディングまで、とにかく出まくるのが「自衛隊」である。東映のゴジラシリーズにおける自衛隊というと「怪獣に対して為すすべのない人類の象徴」として描かれている感があるが、本作においての自衛隊は「国防の象徴」として描かれている。

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本作は、人類の未来をガメラに託す映画ではない(前作?大怪獣空中決戦はそうだったが)。ガメラと人類が共通の目的のために共闘する映画なのだ。何をもって“敵”とするか。何をもって“相手の意思を理解”するか。異なる存在との“対話”がひとつのテーマになっている。

だからこそ、本作ではガメラの巫女?草薙浅黄はあまり前面に出てくることはない。すべてが手探りの中で行なうコミュニケーションにおいて、彼女の能力は全能すぎるからだ。誤解から生まれる衝突は何度もあった。だからこそ、首都防衛の最終防衛ラインを突破されるというギリギリの局面。師団長の決断シーンはグッと来るのだ。

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「ガメラの行動は、レギオンの侵攻をくい止めるものと思われます!」
「???。」
「師団長!」
「持てる全ての火力をレギオンの頭部に集中!ガメラを援護せよッ!」



とにかく、レギオンが強すぎる!
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本作における敵?レギオン(群れをもって行動する様からそのように命名)は、地球外生物である。大型の単体だけでなく、草体と呼ばれる植物(プラントレギオン)と、小型レギオン(ソルジャーレギオン)という軍隊、そして大型の本体(マザーレギオン)が1セットとなって共生している特殊な生態系で成り立っている。星々に種子を巻き散らしながら繁殖していくがゆえ、他の生態系を破壊していく。それゆえに人類との共存は不可能!殲滅戦をもってしか人類に明日はない!

そんなレギオンだが、やたら強いのである。

まず、群れをなす小型のソルジャーレギオンに対して、ガメラには一切の対抗手段がない。その圧倒的な数でまたたく間に全身を覆われ、攻撃されてしまうのである。

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(すすきのでソルジャーレギオンに敗退するガメラ)

大型のマザーレギオンはさらに強敵である。全長は160メートルにおよび、ガメラを圧倒する巨躯を持つ。巨大な2本の大槌腕はガメラの体をいとも簡単に貫く。頭部周辺にパラボラ状に配置されている干渉派クローは各種電磁波を放出することができ、ガメラのプラズマ火球をも中和してしまう。甲殻状の身体は半導体に似た構造を持ち、高い耐久力を持つ。自衛隊戦車大隊の総攻撃を食らっても無傷というほど。さらに、頭部の大角からくり出されるマイクロ派シェルは極太状のレーザーであり、ガメラの甲羅を貫通させる攻撃力

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(ガメラのプラズマ火球を中和!)

さらにさらに、もっとも攻撃力の高いレギオンビュートという第四使徒シャムシエルも吃驚な攻撃手段も隠し持っているのだ。

ガメラだけでは決してレギオンには勝てない。人類だけでもレギオンには敵わない。だからこそ、ガメラと人類との共闘が欠かせないのである。



とにかく、いいセリフが多すぎる!
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過去を振り返る8月15日が近づいている。戦争を良しと言う気はない。しかし、かつて国を守るために散っていった多くの若い日本人たちの想いをわれわれは汲むべきだ。よその国がなんと言おうとも。

「国を守る」。そんな熱いドラマから得られるものはたくさんある。画一的な反戦?終戦特別ドラマなんかよりも、『ガメラ2 レギオン襲来』のほうがハートに訴えかけるものが大きいはず。パトレイバーやエヴァンゲリオンの血を引いた本作は、まさに、大人の観賞に耐えうる戦争映画でもあるのだ。

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人はなぜ堕ちるのか?這い上がることを学ぶためだ。


先日、クリストファー?ノーラン監督による新生バットマン新作『ダークナイト ライジング』が公開された。シリーズ完結編となるこの作品を100%味わうためにも、我々は今、もう一度、新生バットマンシリーズを振り返るべきだと思う。そんなわけで今回は、記念すべき第一作目『バットマン ビギンズ』について語ってみよう。



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名画トレジャーハンター/ジョーンズ博士だ。

『バットマン ビギンズ』を語る上で忘れてはならないことが一つある。それは、本作がDCコミックス史上最高傑作と謳われる『バットマン ダークナイトリターンズ』の雰囲気をそのままに、誕生秘話を描いた『バットマン イヤーワン』をプロットに使ったオリジナル作品だということ。つまり、最強の“大人の観賞に堪えうるバットマン”ということだ。




若きブルース?ウェインの苦悩と葛藤を描く
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心ない人からは「金持ちが道楽でやっているヒーロー」などと云われるバットマン。それは大きな間違いだ。本作の主人公バットマンことブルース?ウェインは心に大きな傷を負っている。彼は、父親と母親を殺したのは自分だと思っているからに他ならない。

少年の日のブルース?ウェインは、ある日、庭にある古井戸に落ちた際、コウモリの大群に襲われる。えも知れない異形の生物に全身を覆われた体験は、幼い彼の心に恐怖を刻み込んだ。そんな彼の心を癒そうとした両親は彼をオペラに誘うのだが、その演目に出てくる黒き使者の姿にコウモリを想像。両親に「帰ろう」と急かす。その帰り道、街のチンピラに両親は殺されてしまうのである。
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(自分が帰ろうだなんて言わなければ…!)
(いや、それ以前に恐怖を感じない強さがあれば…!)

深い悲しみは、弱い自分への怒りへ、そして父と母を殺した犯人への復讐の炎へと変わってゆく。父と母を殺した強盗チルの公聴会。大学生へと成長したブルースは、懐に拳銃を忍ばせ、犯人を私刑にするつもりで参加した。しかし、そんな彼の目の前で、チルは別の者に殺される。検事の司法取引で受けたチルはマフィアの報復によって消されてしまったのだ。

場末のバーでマフィアのドン?ファルコーニと対峙するブルース。ファルコーニは眼前に銃を突きつけて言う。「今、ここには非番の刑事、組合の委員長、地方検事もいるが、目の前であんたを殺しても誰もが黙秘をする。これは金では買えない力、“恐怖”の力だ」、と。
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ブルースが知らない間に、街の正義の火は消えようとしていた。警察内には不正がはびこり、検事もマフィアに買収されている。善良な市民は、ただ脅えて暮らすだけ。ブルースの誇り、父が愛したゴッサムシティは、いつの間にここまで堕ちてしまったのか。

父への想い、そしてブルースの正義の心が、ゴッサムシティの“今”を許さない。しかし同時にブルースは厳しい現実を突きつけられてもいた。「自分は、金持ちという暖かい環境でぬくぬくと育った“お坊ちゃん”である」ということを。犯罪者には犯罪者の心理があり、ルールがある。犯罪者と戦うには、彼らの心とルールを知る必要がある。そしてブルースは、着の身着のまま放浪の旅に出る。

生きるために食べ物を盗む。身にかかった火の粉を払うために暴力を振るう。気がつけば、ブルースは遠いアジアの果てで犯罪集団の一員にまで堕ちていた。そして捕まり、投獄。その刑務所の中でも問題ばかり起こすという始末。悪を知るために悪の道を歩む。かつての崇高な使命すら危うくなり、“自分探し”に迷走するブルース。しかしその旅は、一人の男との出会いによって終わりを告げる。
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彼の名はデュカード。“ラーズ?アル?グールの使者”と名乗るその男は、ブルースに道を示す。「我々は、悪を心から憎む同志を探している。真の正義を遂行するために。それが我々“影の同盟”だ」、と。

デュカードは説く。影の同盟は自己満足で正義を振りかざす存在ではない。正義のためにすべてを捨てる覚悟を持ち、闇社会から恐れられている存在であると。デュカードは続ける。「もし君が、理想のためにすべてを捨て、人間を超えた存在を目指すのならば、我々は君をまったく別の“何か”に育てることができる」。何かとはなんだというブルースの問いにデュカードはこう答える。
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そして、“伝説”は“始まり”(ビギンズ)を迎える――!

つづく








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子供の味方ガメラは、平成になってこんなに進化した!!


『ガメラ』は、かつて大映を代表するお気楽怪獣映画だった。しかし、それは平成になって大きく覆される。それは、1995年からはじまった平成ガメラシリーズによってだ。その中でも、第一作目、ガメラ誕生30周年記念作品として作られた『ガメラ 大怪獣空中決戦』はシリーズの方向性を決定付けた傑作であり、大人の観賞に耐えうる内容となっている。今回は、この作品の魅力について語ってみよう。


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こんばんわ、名作映画トレジャーハンター/ジョーンズ博士だ。

今回、紹介する映画は、1995年に東映系にて公開された怪獣映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』である。マニアの方はタイトルで察しがつくと思われるが、昭和ガメラ3作目『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』がモチーフとなっている。が、内容はゴジラのリメイクとは異なり、ガメラ生誕から描くゼロベースのリメイクとなり、生まれ変わったというにふさわしい世界観が魅力である。


5億円という低予算の中で“本格怪獣映画”を目指した軌跡!
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まず、みなさんに訴えたいのは、この作品が、 大映の看板タイトルのガメラのリメイク作品にも関わらず、低予算5億円(最終的に6億円に増額)しか与えられていなかったという点だ。

ピンと来ないかもしれないが、怪獣映画は特撮がメインになる。特殊効果や都市部のミニチュア制作など、通常の映画よりも金を食う。とてもじゃないが、5億円ではまともな怪獣映画は撮れないのだ。後年、金子監督は「オファーをもらったときは嬉しくて快諾したが、予算を聞いて落胆した」と語っている。しかし、脚本に伊藤和則(劇場版『パトレイバー』)、特技監督に樋口真嗣(『新世紀エヴァンゲリオン』)を確保したことで、「このメンツなら本格王道怪獣映画を撮れる!」と確信したという。

そのため、この作品は実に安っぽいところが多分にある。しかし、そんな小さいところにこだわっていては、この作品の“本質”を捉えることはできない。本作が挑戦した数々の偉業について語っていこう。


“怪獣=恐怖の象徴”の復権!
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『ゴジラ』を代表に、かつて都市を破壊する巨大生物というのは、ただそこにいるだけで恐怖の存在だった。だが、数多くの作品が作られていく中で、「怪獣が破壊する街はしょせん他人事」という視聴者との距離感が発生してしまっていた。本作は“怪獣=恐怖の象徴”の復権を果たすために、あることをやってのけた。

ギャオスは、人間をエサとして食う。

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劇中、ギャオスが人間や動物を捕食するシーンは何度も描かれる。それらは、ハリウッド系巨大生物映画でよく見かける演出。本作はこれを積極的に取り入れることで、視聴者にギャオスの恐怖を刷り込ませることに成功。殲滅しなければ人類に甚大な被害をもたらす危険生物として、ギャオスは地位を確立するのである。


ガメラ対ギャオス、宿命の戦い!
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本作の優れたところの1つが、ガメラとギャオスの戦いに焦点をしぼった点だ。ガメラ怪獣の中でも人気を誇るギャオスとガメラに、古代超文明が生み出した生物兵器と、対ギャオス用決戦生物兵器というポジションを用意。戦うことを宿命付けられた存在とすることで、両者の戦闘に圧倒的な説得力をもたらした。

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従来の怪獣映画の不文律である、一対一のタイマン勝負にしなかった点も評価したい。本作ではギャオスは3匹登場するが、初戦闘時の戦力は圧倒的にガメラが上である。ガメラが放つプラズマ火球一発でギャオスが吹き飛ぶほどだ。

しかし、ギャオスはガメラに比べて体が小さく機動力が高い。的が小さいことと動きがすばやいこと、その長所を活かし、ガメラの攻撃を避けていく。翻弄されながらも、ガメラは2体を次々と撃破していくのだが、3体目の撃破は、ガメラを危険視した人間たちのガメラへの攻撃により阻止されてしまう。

その間に、ギャオスは驚異的な進化をつづけ、ついには全長100メートル、ガメラを超える最強の生物として東京上空に降臨する。自衛隊のミサイル攻撃をもなんなくかわし、折れた東京タワーに巣を作るシーンの美しさは、我々人類の浅ましさを笑うかのようなメッセージが込められているようだ。

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王道怪獣映画として外せないミニチュアセットの数々!
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本作は、ガメラ誕生30周年記念作品として、従来の怪獣映画の撮影方法に則っている。1995年当時でも「古い」「効率的ではない」といわれていた精巧なミニチュアセットを多用している点も、原作である昭和ガメラシリーズへの敬意の表れだ。

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その一方で、昭和ガメラシリーズが陥ってしまった戦闘=“怪獣プロレス”にならないように、カメラは基本的に「人が見る視点」であることを徹底。このあたりは、エヴァンゲリオンにも通ずるところがある。この撮影手法によって、怪獣の着ぐるみさが出ているシーンがあるものの最低限度のリアリティは守られており、作風が破綻されることはない。

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活かしきれなかった“ガメラと交信する少女”という設定、その後!
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本作オリジナルの設定のひとつは、ガメラの持つ勾玉を所有することによりガメラと心を通わせることが出来るようになった草薙浅黄(くさなぎ あさぎ)の存在がある。ガメラとシンクロすることでガメラが負った怪我と同じ部位を怪我したり、時としてガメラの気持ちを代弁したり。

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彼女の存在によって、「ガメラ=人類の味方」ということが分かりやすくなっているのだが、この巫女としての能力がガメラに本当に必要なのか。演じている藤谷文子の容貌が巫女っぽくないとか。そもそもどうしてこんな設定を作ったのか。見終わった後にいろいろ考えてしまう部分も正直なところ、ある

しかし、心配はご無用。彼女の存在、巫女としての役割、これらは続編である『レギオン襲来』、『イリス覚醒』によって深掘りされ、ひいては“人間の業”というテーマにまで昇華されていくのだ。月刊ムーが好きそうな不思議ちゃんが、シリーズを重ねるごとに成長し、美しくなっていく点も注目したい。


まとめ
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『ガメラ 大怪獣空中決戦』は、荒削りな作品だ。大人の観賞に堪えうると書いたが本作はちょっと堪えられないかも。しかし、平成ガメラ三部作を評価するにあたって本作は外すことができず、また、1995年に古き良き特撮映画らしい映画を撮ったことは大きな意義がある。今ではもうそんな映画はなかなか作れないからだ。

このシリーズですらも、次回作では特撮映画の進化系を、次々回では特撮映画の未来を目指しており、見かたによっては全く別のものになっている。そして何よりも、グッとくるガメラ映画は、この作品しかない。そういう意味で名作であると思えるのだ。

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【名画発掘】 『ガメラ 大怪獣空中決戦』 ─―人が喰われる恐怖を描いた怪獣映画の傑作! 【映画】 部分的には面白いが、全体的にはつまらない『漫才ギャング』