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天外魔境IIタイトル



壊滅した高山村の人々、そして卍丸の母親をさらった根の一族は、両面窟へと卍丸をいざなう。その地底の底で根の一族?死神三兄弟が一人「ツノ王」と対峙した卍丸は、激闘の末、打ち倒すことに成功する。しかし、危機一髪で助け出した母親は、卍丸の脅威の成長を複雑な表情で見つめるのだった。

「卍丸、ありがとう。お前は本当に強いのね…。そして、もっと強くなってしまう…。とうとうこの日が来たのですね。お前に大切な話があります。急いで家に戻りましょう。」
CD_AB8DA6A0-132

家に着いた母ちゃんは、神妙な顔つきで途方もない話を始めたんだ。


133
「今から1000年の昔。
 ジパングの出雲の国の小国「根の国」がジパング征服を目論みました。

 彼らは、彼らがあがめる悪神ヨミと、
 7本の暗黒ランのチカラを使って、ほんの数日間で、
 ジパングを地獄に変えたと言います。

135
 ほとんどすべての人たちが自らの運命を諦めました。
 しかし、希望を捨てずに戦うことを選択した者たちも、またいたのです。
 それが、「火の一族」と呼ばれる人々でした。

 彼らは最後まで、根の一族に対して頑強に抵抗しつづけました。
 戦いは数千日におよんだと聞きます。
 日々、熾烈さを増す戦いの中で、火の一族は一人また一人と倒れ、
 多くのものが命を失い、その都も失うことになりました。

138
 劣勢に立たされた火の一族は最後の賭けに出ます。
 一族の極意を、「火の勇者」と呼ばれる7人の若者と7本の聖剣に託し、
 最終決戦にのぞんだのです。

139
 若者たちは、その7つの命と引き換えに、
 7本の暗黒ランを切り倒すことに成功し、
 根の一族と悪神ヨミを地中深くに封印しました。

 しかし、火の一族の損害も甚大なものでした。

 かくしてジパング全土を巻き込んだ大きな戦は幕を閉じ、
 戦いに疲れた火の一族も静かに歴史の表舞台から姿を消し、
 平和な時代が訪れたのです。

 その後、火の一族を見たものはいません。
 火の一族の血は、千年の時の中で民の中へ移し、消えてしまった。
 そのはずでした。

 でもね…、

CD_AB8DA6A0-141

 いつの日か、ふたたび根の一族がこの地に災いをもたらしたとき、
 火の一族は立ち上がらなければならない。
 闘わなければならない。
 火の一族だから、ジパングを守らなければならない。

 あの人は、いつもそう言っていたわ。」


そこまで話すと母ちゃんは立ち上がって、ひと抱えもある葛篭を持ってきた。
おもむろに中を開けると、
そこに入っていたのは、ひと振りの剣と陣羽織だった。

「卍丸。もしもの時にって、お父さんから預かっていたものよ。
 さあ、着せてあげるわ。」

CD_AB8DA6A0-144

オイラには、話が大きすぎてよく分からなかった。
でも、アタマよりも先に、心が、魂が、何かを理解したような気がする。

ジパングをこのままにしてはいけないって。
そのために、自分が闘わなければならないって。

そう考えたら、胸が熱くなったんだ。
身体の奥のどこかでボッと火がついて、全身にチカラがみなぎってきたんだ。

母ちゃん、オイラは行くよ!
もう火多のガキ大将じゃない。火の一族の剣士として、
あの暗黒ランをぶった切って、ジパングに平和をもたらしてみせるよ!




つづく

次回、「敵か味方か、カブキ団十郎登場!」の巻

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【リプレイで振り返る天外魔境II】 第03話「1000年の因縁、明かされる宿命の血族!」の巻

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