忍者ブログ

[21]  [84]  [157]  [28]  [44]  [71]  [98]  [95]  [121]  [22]  [89

カレンダー

05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

リンク

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

最新記事

プロフィール

HN:
「犬夜叉 完結編」
性別:
非公開

バーコード

RSS

ブログ内検索

アーカイブ

最古記事

P R

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

[PR]
ace 3ds plus
共通テーマ:未来に伝えたいレトロゲーム テーマに参加中!


o0406059510706764155

少女が笛の音に託した想いは竜に届くのか?

私の手元にひとつのパッケージがある。緑色をした竜が大空を舞う、その様子が描かれていたものだ。だが、渋い。渋すぎる。開発?販売を担当しているのは、バショウハウス。聞いたこともないメーカーである。こんなもので売れるのか。少年だった私も心配したものだ。そう、店頭で流れていたあのデモを見るまでは――。





ブログ代表
レトロゲームレイダース?ジョーンズ博士だ。

今回発掘した作品は、1989年にバショウハウスが発表したRPG『エメラルドドラゴン』である。日本製RPGの最大の特徴は「ストーリー性」だろう。いかに、ユーザーをその“世界観”に引き込むか? その難題をエメラルドドラゴンは、この店頭で発売前から公開していたオープニングデモでいとも簡単にやってのけた。


見た人の心をとらえて離さないオープニング!
redline

001
時をさかのぼること数千年。
いつの頃からか、聖地イシュ?バーンにドラゴンたちが住むようになった。
本来、気性が激しく他種族と相容れる事などないはずのドラゴンたちが、
大地の持つ不思議な力のせいか人語も理解し、
他の種族と共存する道を選ぶという奇跡の日々がつづく。
しかし、幸福で平穏な日々というものは長く続くものではない。
そう破局とは突然やってくるものなのだ…。

住む全てにとって聖地であったはずのイシュ?バーンに
何者かが呪いをかけた。
002
呪いは何故かドラゴンだけを蝕み、確実に死を与えた。
呪いによりこの大地を追われたドラゴンたちは次元の隔たりのある、
「ドラゴン小国」へ移り住まざるをえないことに。
中には地底深く潜り、イシュ?バーンにとどまろうとする者もいたが、
そのほとんどが呪いの力に抗いきれず、死に絶えてしまった。

そして時は流れる…。


003
ある日、ドラゴン小国に難破船が打ち上げられた。
どうやらイシュ?バーンの船のようだ。
次元の隔たりがあるはずのイシュ?バーンからの漂流物に
ドラゴンたちは驚いた。
004
しかも、船には生存者がいたのである。
まだ年端もいかない人間の女の子だった。
ドラゴンたちに助けられた少女は「タムリン」と名づけられ、
同じ年頃の「アトルシャン」というブルードラゴンの子供と
一緒に育てられる事になったのである。
005
寿命は非常に長いのだが、めったに子に恵まれることのないドラゴンたちにとって
アトルシャンは数百年ぶりに生まれた大切な子供だった。
それだけに、子供の大切さをドラゴンたちはよく知っていた。
例えそれが、種族の異なる人間の子供だったとしても。

夢のような時間が、思い出となって、駆け抜けていく…。

006


そして12年の歳月が流れ、
ここにもまた一つの別れがこようとしていた。

二人は12年前難破船が打ち上げられた海岸の見渡せる丘に来ていた。
007
「どうしたんだい、タムリン?さっき白龍に呼ばれてたみたいだけど。」
「私、イシュ?バーンへ帰ることにしたわ。」
「なっ、さてはあの爺さん、また余計な事を!」

「違うのよ、アトルシャン!
 考えてみて、私は人間なのよ。
 このままここで暮らせばいつか辛い別れの日がきっと来る。
 だから私はイシュ?バーンに帰って人間としての幸せを探してみたいの。」
008
「…そうか、タムリンがそこまで考えているなら、もう何も言わない。」
突然、アトルシャンが自分の角を折った。

009
「タムリン、これを角笛にして持っていくんだ。
 そして僕の助けが必要になった時、吹くといい。」
 僕は角笛の音を聞き逃さない、
 たとえ、君がどこにいても必ず駆けつけるからね。」

010
「アトルシャン???」

その翌日、タムリンはイシュ?バーンへと旅立った。
アトルシャンの角笛を片手に…。



ところが、その頃、
イシュ?バーンはどこからともなく現れた魔物達の軍団「魔軍」によって
破壊と殺戮が繰り広げられていた。
011
イシュ?バーン唯一の王国エルバードの軍隊が
西の主戦場に派遣されてから、15年が経過。
両軍の力は甲乙つけ難く、戦いは長期戦の様相を呈していた。

タムリンがイシュ?バーンに帰ってから3年の歳月が流れた頃。

長きに渡り善戦をしてきたエルバード軍ではあったが、
魔軍側に登場した「ある人物」により戦局は一変した。
魔将軍オストラコン、人間の身でありながら魔軍に組する男。
彼の率いる精鋭部隊の出現によって、
重要な拠点であったドゥルグワント城にて大敗退を喫し、
戦力の大半を失ってしまったのである。

エルバード王国軍、親衛隊長サダの部隊が守る砦が落ちれば、
魔の軍勢は明日にでもエルバードの城へと襲いかかってくる。
そうなればイシュ?バーンは魔軍の支配下におかれ、
漆黒の闇に覆いつくされた大地は、二度とその光を取り戻す事はできないだろう。

012
人々が恐れ、戸惑う中、タムリンは一人決意を固めていた。
国中の男たちが戦場に駆り立てられ、
女、子供にまで災厄が振りかかろうとしている今、
タムリンはできるかぎりの力を振り絞り、
魔軍に立ち向かう決心をしたのだ。
そして、今こそあの角笛を吹く時がきたと確信したのである。

013
立ち込める不安を振り払うかのように、
アトルシャンの角笛がイシュ?バーンの空に鳴り響く…!


いかがでしょう?グッと来ませんか?このオープニングこそが『エメラルドドラゴン』の真骨頂!これで引き込まれたら、もうタムリンを助けるために旅立たないわけにはいきません。


伝えないことで伝わるドラマチックRPG!
redline
「ドラマチックRPG」という言葉ももはや死語となった今日この頃。近年の市場には、ドラマチックな展開のが売りの和製RPGが数多く存在します。しかし、その多くが表面的な「展開」にばかりスポットが当てられており、キャラクターが冒険に参加する意義、敵が侵略してくる理由などの作り込みが甘く、説得力に欠ける物語が多いのも事実です(もちろん、きちんと作られている作品もあります)。

その点、『エメラルドドラゴン』は非常に丁寧に作られています。人間は「正義」という曖昧なもののためには死ぬかもしれない戦いに身を投じることはできません。しかし、大切な人を守るため、愛する人のためには、恐怖に立ち向かうことができるもの。プレーヤーが納得できる設定があるからこそ、ゲームに入り込むことができ、こういったキャラクター造形がきちんと築かれているからこそ、ゲーム本編のドラマが活きてくるのです。
014

015

その象徴的なのが、僧侶戦士ファルナです。彼女は、エルバート国王子であるハスラムの侍女兼お目付け役という立場にある少女です。しかし、父を目の前で失い、ハスラムが敵の手に堕ちてしまうと、彼女は戦う理由を見失って戦線離脱してしまいます。そう、ゲーム中でファルナは、父親やハスラムに対する想いをひと言もしゃべりません。しかし、いつも気丈に振舞っていたファルナが茫然自失となる有様を見て、プレーヤーたちは初めて知るのです。ファルナにとって、父親が、ハスラムが、いかに大切な存在であったかを。

016

語らないからこそ伝わる。特に、キャラクターの心情などは、下手にセリフにするよりも、あえて伝えないことのほうが伝わることもあります。このあたりの機微も『エメラルドドラゴン』はよく心得ており、アトルシャンとタムリナの間にある感情も、決して言葉にしません。長年、兄弟のように育ってきた二人、命をかけて守りたいとと思う存在、旅の中で明かされる真実を前にしても揺るがないもの。その美しい感情は、たぶん、名前をつけないほうが純粋さを保てるもののような気がします。

それだけに、「テーマは愛。」というプロモーションを展開したスーパーファミコン版について、私は「ぐぬぬ。」な感想を抱いていたりするのです。


魔軍との戦い、そして歴史に隠された“謎”を解き明かせ!
redline
再会したタムリンとアトルシャンは、酒場で飲んだくれている剣士バルソムを仲間にし、魔軍について詳しい情報を知っているという魔術師バギンを追うことに。そして、まさにエルバート城を襲おうとしていた魔神ゴーレムを撃破。これをきっかけに、ハスラム、ファルナとともに、エルバート軍の遊撃隊として魔軍と戦っていくことになります。

1414

魔軍の要塞攻略戦、ザーマ砦奪還戦、古代兵器アヴェスタの探索、魔軍指令オストラコンとの対峙、突然の魔王ガルシアの強襲、魔王殿の決闘…。仲間との出会い?別れを重ねて、物語は進んでいく。魔軍との戦いが大詰めになるに近づき、イシュ?バーンの歴史に埋もれた“秘密”も少しずつ解き明かされていきます。

なぜ、魔王はこの地に現れたのか? 古代種ホルスとは? エメラルドドラゴンとは? 5つのエメラルド?グレイスとは? 竜族にしか扱えない魔剣ヴェンディダートとは? そしてタムリンの出生の秘密とは?

数千年にわたって聖地を縛り付けていたものからイシュ?バーンを解放する。それは、敵対する二つの種族の協力がなければ為しえなかったこと。タムリンとアトルシャンが出会ったことから、物語ははじまっていたという感動のエンディングはぜひご自身の目で確かめていただきたい。

権利関係が複雑化していたため音楽は大きく変わってしまいましたが、非常に遊びやすくなったPCエンジン SUPER CD-rom2版がオススメです。

ds tt3ds マジコン
PR
【名作発掘】 『エメラルドドラゴン』─―少女と竜、二人の出会いはイシュバーンに何をもたらすのか?!

Comments

名前
メールアドレス
URL
コメント
PASS

Trackback

Trackback for this entry: