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兄弟たちよ、平和のために死んでくれ。
20年以上にわたってシリーズがつづく名作アクションゲーム『ロックマン』。しかし、残念ながら、本作はすべての人々が楽しめる作品ではありません。それはなぜなのか。ロックマンとは一体どういう作品なのか。今宵も歴史に埋もれし一頁を紐解いてみよう。

こんにちわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
今回発掘した作品は、カプコンから1987年にファミリーコンピュータ用カセットとして発売された『ロックマン』です。人気アクションゲームとして今日まで派生シリーズが続いているこのロックマンですが、本家本元であるロックマンは「なかなか手ごわいアクションゲーム」という印象が強いと思われます。
史上最弱のメタルヒーロー、ロックマン参上!

まず、みなさんに訴えたいのは、ロックマンは
史上最弱のヒーローであるという点です。それもそのはず。ロックマンは緊急事態を受けて急きょ改造を施されて実戦投入された
仮設戦闘マシンだからです。
?ストーリー?
西暦200X年、ここは科学の進歩により人間とロボットが共存する世界。突如、ロボット開発の第一人者、トーマス?ライト博士作成の工業用ロボット6体が暴走。彼らは自身が所属していたプラントを支配し、人類に宣戦布告をしはじめる。こんな事ができるのは、かつての学友、アルバート?W?ワイリー博士に違いない。家庭用ロボットであったロックは、妹ロールの制止を振り切り、Dr.ライトに懇願。戦闘用ロボット、“ロックマン”として生まれ変わった。
ロックマンは通常兵装は左手の
ロックバスターのみ。このロックバスター、弾数制限こそないものの
威力はとても弱く、ザコロボットの破壊にも数発撃ちこむ必要があります。
機動力は人並み。二段ジャンプも、スライディングも、しゃがむことすらできません。今流行りの多彩なアクションができるゲームの主人公たちに比べると
見劣りしてしまうのも仕方ないでしょう。ですが、ロックマンには最強の“武器”があります。
それは、
プレーヤーであるあなた自身。
ロックバスターは
威力こそ貧弱ですが、きちんと狙いを定めて撃ち込めば
どんな敵も撃破できます。ジャンプだって軌道修正すれば、どんな敵の特攻も地形トラップも乗り越えることができます。もちろん、最初からすべて上手くいくわけがありません。何度も、何度も、傷つき、倒れ、
泡のように弾けて死ぬ。それでも立ちあがり、学習した攻略法を実践し、テクニックを磨いていく
不屈の闘志。それが、史上最弱のヒーロー?ロックマンを、華麗な戦闘テクニシャンへと
成長させていくのです。
早々に挫折し諦めた敗者たちに、この作品の“面白さ”は一生分からないでしょう。しかし、ロックマンとともに何度も立ちあがってきた方たちなら、きっと心からこう言えるはずだ。「ロックマンは最高のアクションゲームだ」と。そして、
“ロックマンと生死をともにしてきた友達であること”を誇りに思うべきだ。
難しいだけじゃない。必ず存在する“突破口”をさがせ!

『ロックマン』という作品の難易度を上げているのは、
トリッキーな動きをする敵キャラ、
アクション性を求められる地形トラップの二点だ。ファーストコンタクトでは、まず間違いなく大ダメージを受ける&身体が泡と弾ける。それほど、並みの反射神経では対応できない強敵揃いだ。だが、
心が折れるのはまだ早い。
奴らの動きには
法則性がある。攻撃&破壊のチャンスはどんな敵にも必ず存在する。突破できない壁は存在しない。
見極めれば必ず突破することが可能なのだ。そのため、ロックマンの正しいプレイスタイルは、画面のスクロール切り替えが発生したらその場で待機。敵ロボットがどこで出現するか。どんな攻撃をしてくるか。地形トラップはどんな感じか。といった点を確認。一旦、前のフロアに戻って敵の出現をリセットして、再度チャレンジする…というのがオススメだ。
ステージのラストで待ち構えるボスたちにはこの戦略は通用しない。残ライフと残機をうまく使って攻撃パターンを掴んでいくしかない。しかし、ボスたちにも必ず
致命的な“欠点”が存在する。
例えば、
カットマン。彼のローリングカッターは一度敵に向かった後、ブーメランのように使い手の元に戻ってくる。武器特性だけでもやっかいなのに、カットマンがちょこまかと飛び跳ねて動くため、戻りの軌道が読みにくい。しかし、ガッツマンのスーパーアームを使って、ステージ内にある岩をぶつければたった
二発で撃破。ノーダメージ
瞬殺も可能です。
というように、耐え抜いて攻略法を見出したプレーヤーにとって、『ロックマン』は自分のプレイのスタイリッシュさをアピールするステージへと様変わり。
絶望的だった障害の数々を、あっという間に蹴散らしていくカタルシス!それが、『ロックマン』の面白さ、その
神髄といえるでしょう。
その悲しき設定に、萌えろ!!

ロックマンが戦うべき6体のロボットたち。公式設定によると、
彼らはロックマンの兄弟なのである。制作者のライト博士の名前をとって「ライトナンバーズ」と呼ばれる彼らの型番は、
カットマン(
DRN.003)
ガッツマン(
DRN.004)
アイスマン(
DRN.005)
ボンバーマン(
DRN.006)
ファイヤーマン(
DRN.007)
エレキマン(
DRN.008)
ロックマン(
DRN.001)
ロール(
DRN.002)
※ちなみに『3』に登場するロックマンの兄ブルースは
DRN.000。
つまり、ロックマンはDr.ワイリーに操られた兄弟たちを元に戻す方法はないと分かった瞬間、「自分の手で兄弟たちを破壊する」という悲壮な決意のもと、ライト博士に自身の戦闘ロボット化を望んだのである。
兄弟たちと会話による
和解は存在しない。彼らは兄弟であるロックを“敵”と見なし、本気で殺しにかかってくる。その熾烈さは、ゲームを一度でもプレイした方ならお分かりいただけるはずだ。だが設定を知ると、その攻撃すべてが
悲しい。再びお互いを理解することができない理不尽を振り切り、ロックは兄弟たちにこれ以上悪事を働かせないために、
破壊する。腕に取りつけられた
ロックバスターは兄弟殺しのための兵器なのだ。
兄弟たちの魂は、ロックに破壊されることで“解放”される。ボスを倒した後に得られる特殊兵器は兄弟たちの形見であると同時に、姿かたちを失い
自由を取り戻した彼らがロックに協力しているようにも思えるのだ。
ワイリーステージにおいて、ロックマンは魂のない器だけの姿で復活した同性能の兄弟たちと再び相まみえる。しかし、7つの兵器を手に入れたロックマンにとって敵ではない。涙の数だけ強くなる。その体現のように想像しながらプレイすると、ワイリーステージはとにかく展開が熱いのである。
まとめ

ロックマンシリーズは『8』でスーパーファミコンに舞台を移した後、ファミコンテイストのダウンロードウェアとして復活する。心ない者はこれを
「意味の分からないシリーズ展開」と罵るが、それは間違っていると感じる。
極限までいらない要素を削っても面白さは変わらない。その普遍性が『ロックマン』には存在し、ファミコンテイストはその証明なのだ。
『ロックマン』、熱い夏をさらにヒートアップさせるアクションゲームの名作として、未来に伝えなければならない一本だろう。
※最後に※
記事編集の際に、化マ様の
ロックマンの曲に音を重ねてアレンジしてみたシリーズを使用させていただきました。あなたのアレンジは最高です。
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