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答えろ、お前の尻にしっぽはあるか?
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
みなさんは、『新世紀エヴァンゲリオン』や『トップをねらえ!』で有名なガイナックスがゲームを制作していることをご存知でしょうか?
「ああ、アスカやレイが麻雀で負けると脱いでハダカが見れるゲームね」という印象をお持ちかもしれませんが、90年代、ガイナックスは、
「クイズに勝つと女の子が脱いでハダカが見れる」という、その
20年後もまったく軸がブレていない路線を貫いていました。
時に平成18年。
日本では昭和時代からの繁栄が続き、人々は豊かな暮らしを謳歌していた。そんな平和な社会の唯一の不安。それが『猿害』であった。『猿害』とは、80年代のオゾン層破壊によって降り注いだ紫外線によって、甲状腺ホルモンが肥大化し、突然変異によって進化したサル達によって人間社会にもたらされる数々の災厄の事である。
進化したサル達はかなりの知能を有し、また表面的にも人間とそっくりであった。そして彼らは人間に興味を持ち、密かに人間社会に浸透していく。もはや、そうした「賢猿」と「人間」を見分ける事は素人や普通の警官には不可能だった。そこで登場したのが「エイプハンター」と呼ばれる猿専門のハンターである。彼らの使命はただ一つ、人間社会に潜入したサルを見つけ出し、抹殺する事にある。しかし、それは「抹殺」ではなく、「処理」と呼ばれていた。
ガイナックスのゲーム開発部門はゼネラルプロダクツといい、PC8801、PC9801、MSXといったPCに多くのADVを提供していたのです。そのどれもが同じようなシステム&画面構成をしており、「同じルーチンを使っているのを隠す気がないんじゃないか」というおっぴろげなスタンスだったのですが、すべてが秀逸な作品でした。実にガイナックスらしい作りで、お色気もあり、ウンチクあり、グッとプレーヤーを盛り上げてくれる燃え場あり。ここまで楽しいゲームを連続して作れるメーカーはそうそうあるものではありません。
そんなゼネラルプロダクツの作品のひとつに、『電脳学園』シリーズというものがあります。簡単にいうと、ADVパートを進めていくと女の子と脱衣をかけたクイズバトルになる…という展開のもので、4作品がリリースされました。今回紹介する『エイプハンターJ』はその四作目。『ブレードランナー』や『スナッチャー』のような世界観のハードボイルド風脱衣ADVなのでした。
人か?猿か? 脱がさなければ分からない

主人公はA級エイプハンター「J」。彼はすべての問題をクイズで解決するという電脳学園に紛れ込んだ進化猿人を処理する依頼を受ける。
人か、猿か。
高度に進化した猿人は人間と区別がつかない。判別方法は服を脱がして、お尻が赤いかどうかを確認すること。しかし、曲がりなりにも舞台は学生たちの学び舎。下手なことをすれば未成年者のわいせつ罪で捕まってしまう。そこで、Jは
脱衣をかけたクイズ勝負に出るのであった。
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ゲームはオーソドックスなコマンド型ADVです。電脳学園の各所をまわり、聞き込みをしながら、猿人と疑わしい人間を見つけてクイズ勝負に出る…という展開になります。こう聞くと、実に古臭いシステムと思われるかもしれませんし、まあ、事実そうなのですが、そこはガイナックス。可愛らしく個性的なキャラクターたちが、物語を盛り上げてくれます。


個人的にオススメなのが、主人公Jの歌。
Jは常にギターを持ち歩いており、感情が高ぶると愛用のギターをかきなでいきなり歌いだします。当然、音痴というオチなのですが、その際には画面はカラオケ風になり、ビミョウに音の外れた「エイプハンターJのうた」は、くやしいことに耳に残る系のチューン。わざわざこんな歌を作るなど、プレーヤーを飽きさせません。
本編にまったく関係ない膨大な設定に、惜しみない賞賛を!

さて、『エイプハンターJ』の最大の魅力は、独特の世界観を形成する膨大なインチキ設定です。このゲームには『猿害の実態』という社会科で使用されそうな教科書がついており、そこでは進化猿人が人類の歴史に残してきた足跡を解説しています。


一例を紹介しましょう。
1997年の総選挙において、スポーツ平和党の党首であった猪木寛至は、
40歳寿命説によって投げやりになっていた若者たちに「強く生きよ」と説いて
深い感銘を与え、若者に勤労意欲を目覚めさせて圧倒的名支持を得ました。
その結果、スポーツ平和党は選挙で圧勝し、
日本は大統領制を導入することになったのです。
初代大統領となった猪木は、まず猿人の公職追放(エイプパージ)を行ないます。
これは「政界のヒヒジジイ」などと呼ばれて猿人の疑いのある政治家や、
猿知恵と思われる政策を実行する上級公務員を解職、解任、もしくは左遷、
失脚させて、その代わりに有益な若者を登用したのです。
この断固とした勇気ある追放運動は国民の支持をさらに得ることとなりました。
こうした猿害大作は国民の間にも広まり、
市民団体による嫌猿権運動なども始まりました。
1999年、政府は翌年に迫った新東京オリンピックを前に
国内の猿の一掃作戦の実施に踏み切ります。
この作戦は暗号名で、「モンキーパンチ作戦(MP作戦)」と呼ばれ、
徹底した実力行使も辞さない強力なものでした。
(高校生の現代社会科 猿害の実態より抜粋)
入手困難なこのインチキ教科書『猿害の実態』は
こちら で読むことができます。
このコンシューマでは決して味わえない独特の雰囲気こそがPCゲームの魅力。近年の18禁美少女ゲームとも違ったこのノリは、やはり90年代独特のモノのような気がします。
まだ、「萌え」なんて言葉が使われることなく、バカだけど、面白く、ちょっぴりエッチだけど、ホロリともさせてくれる珠玉のガイナックスADV。『電脳学園IV エイプハンターJ』は
21世紀に語り継ぎたいゲームのひとつです。
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