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金曜日だし、スプラッターハウスについてでも語ろうか。
ゲーセンでならした俺たち惨劇部隊は、シリーズを追いかけてメガドライブへダイブしたが密かにセガハードを脱出し、地下へと潜った。しかし、いつまでもくすぶっている俺たちじゃあない。新作が北米で発売すると聞いたら、英語がしゃべれなくてもゲームを買う命知らず。不可能を可能にし、巨大なボスを粉砕する――それが、俺たち惨劇野郎Aチーム!
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士だ。
今回発掘した作品は、日本未発売のPS3?Xbox360版『SPLATTER HOUSE(北米ver)』だ。タイトルから見て分かるとおり、ナムコが1988年にアーケードゲームとしてリリースした『スプラッターハウス』シリーズの最新作であり、ストーリー的には
第一作目をなぞったフル?リメイク作品である。
結論、こんなのスプラッターハウスじゃねぇ!


本作をプレイして感じるのは、初代をプレイしたときに感じる
「スプラッターハウスらしさが微塵もない」ということだ。リックという主人公、ヘルマスク、残虐表現、異形の者たちが巣食う館…といったお馴染みのキャラクター、小道具、舞台が揃っているにも関わらず、
「まったく別のゲームをしている」というくらい違和感がある。それはなぜだろうか?
結論、初代『スプラッターハウス』が持つ“スプラッターハウスらしさ”を作り出しているのは上記で並べたものではないからだ。それでは何が欠如しているのか。それは、
80年代名作ホラー映画へのオマージュである。初代『スプラッターハウス』の魅力は、よく知るホラー映画の殺人鬼に似たが、よく知るホラー映画に出てくるような敵やさまざまな仕掛けを潜り抜け、よく知るホラー映画のようなストーリーを歩んでいく…ここに尽きるからだ。
本作は、『スプラッターハウス』を構成するギミックを並び替え、100%オリジナル作品として構成したからこそ、80年代名作ホラー映画へのオマージュの数々は消滅し、同時にゲームからも「らしさ」が消えた。しかし、
これでいいのだ。なぜならば…
この作品の神髄は、同封されている旧3部作だ!


本作では、
アーケード版『スプラッターハウス』、メガドライブ版『スプラッターハウス PART2』、メガドライブ版『スプラッターハウス PART3』を遊ぶことができる。これこそが、このゲームの本編と考えればいい。
『スプラッターハウス』の雰囲気を活かしたゲームは
今の時代作れないのだ。今は、80年代と違って、著作権や肖像権に甘かった時代。だからこそ、名作ホラー映画のおいしいところをふんだんに取り入れた『スプラッターハウス』が作れたのだ。もはや絶対に手が届かない作風、
本作は身をもってそれを証明し、旧3部作のポジションを不動のものへと昇華させた…とは言えないだろうか。
『スプラッターハウス』という作品は、それ自体がホラー映画のシリーズもののように作られ続けてきた。世間を騒がす鮮烈的なデビューを飾った一作目。スタッフが変わり、低予算の中で前作の良さをぶち壊した続編の『PART2』。舞台や作風を大胆に変えてシリーズ完結編を謳った『PART3』。そして本作は、20年の時を経て、最新のCG技術で甦ったリメイク版(
だがマニアはこんなの認めないと怒る)。ほら、こう考えると、正統進化以外の何物でもないではないか。
そう考えると、この作品ならではの旨味が見えてくる


本作は、初代『スプラッターハウス』のストーリーを踏襲しているものの、明らかに異なる点がいくつかある。その一つが、
ウエスト博士が生きていること。旧作では、異世界から呼び出した者たちに殺されていた博士は、本作では異形のものたちを操り、自らの手でジェニファーをさらっている。
もう一つは、
ヘルマスクが明らかにリックを騙しているという点。「一度ヘルマスクをかぶった以上、その命が尽きるまで二度と外れることはない。だが、死にかけていたお前に生命とジェニファーを救うチカラを与えてやったんだ。今はそのチカラを楽しめよ。クックック…」。といったことを平気で言ってのける。
ウエスト博士が送り込んでくる異形の兵士たちとの死闘、血と肉塊で紡がれるストーリー、その合間合間に交わされる臆病者であるリックと皮肉屋でありながらも的確なアドバイスをくれるヘルマスク…。それは、私たちの知っている『スプラッターハウス』ではないものの、なかなかいい雰囲気なので
“有り”なのである。
“スプラッター”を意識した新?ゲームシステムに注目せよ!


このゲームには、
「スプラッターキル」というシステムがある。これはある程度ダメージを与えて赤く点滅している敵に対して行なえる特殊攻撃。発動させるとQTE(Quick Time Event)となり、表示されたコマンドを一定時間以内に入力すると、スバッと頭を引き抜いたり、スボッと両腕を引き抜いたり、キャメルクラッチみたいに胴体をへし折ったり…。
血と臓物と肉塊が飛び散るステキな傷(ショウ)タイムのはじまりです。
さて、このゲーム。このスプラッターキルを多用すればするほどゲームの進行がラクになるという仕様。というのも、ヘルマスクは血の生贄を常に欲しており、画面上に飛び散った血は片っ端からヘルマスクが吸い取っていく。まさに『石仮面』。そして、捧げた血の恩恵として、体力ゲージや必殺技を使用するためのネクロメーターが回復し、さらにステージクリア後にはBLOODボーナスとして新しいスキルを覚えることができるのだ。
本作の敵はリックを本気の殺す気で襲いかかってくるので、油断していると瞬殺されてしまう。だからこそ、パンチ連打、タックル攻撃、スライディングといったスキルを序盤から多く修得することは、生存率向上のためにはかかせない。
殺(や)られる前に殺(や)れ。血のシャワーを浴びさせろ。
本作はそういうゲームなのである。
オッパイGOOD。リスニングGOOD。ロード時間BUD。


スプラッターハウスと化したウエスト邸で異形の者たちの殺戮に明け暮れるリックにとって、人としての心を唯一取り戻す方法。それが、
エログラビア探しである。ネタではなく、マジで実装されているから困る。ゲーム中に出てくるオブシェを破壊すると回収できるそれは、恋人ジェニファーにリックがいろいろコスプレさせて撮影したセクシーグラビア。
乳首も、アンダーヘアも、隠そうとしないとはさすが自由の国アメリカ。だが気をつけるのがいい。鼻血もヘルマスクは吸い取ってしまうのだぜ?
本作は、日本未発売ということもあって全編英語表記。セリフもすべて英語だ。
「俺の学力で大丈夫か?」と思われるかもしれないが、それに対しては
「大丈夫だ、問題ない」である。あの石川遼も「ずっと聞き続けることで分かってきた」とスピードラーニングのCMで言っていた。私の先輩は『超時空要塞マクロス 愛?おぼえていますか』をみつづけたことでゼントラーディ語を覚えたというし、知り合いにはナメック語をマスターとしたという者もいる。本当にスプラッターハウスが好きならば、できる。かくいう私も、なんとなく分かる。
このゲーム最大の欠点は、ゲームオーバーからコンティニューにかかる
謎のロード時間(約1分)だ。かつて『東京ナンパストリート』のカセットテープローディング15分に耐えた私でも発狂しそうになる。だが、考えようによってはたかが1分だ。それに、死ななければいいだけなので、実は大した問題ではないのかもしれない。

今の時代に、『スプラッターハウス』が甦ったというだけでも価値にある作品である。80年代のナムコ黄金時代を生きてきた方なら、「ちくしょう、ろくなゲーム作らねぇ」と蔑むのではなく、「こんなスプラッターハウスも有りだな」という温かい目で楽しんでほしい。
先入観がなければ、悪いゲームでは決してない。
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